2019年 7月19日に公開された新海誠監督最新作『天気の子』
もうご覧になられましたか?
天気の子にハマってしまった私はすでに4回ほど観ました。
そしてまだまだ観に生きます。
そんな天気っ子の私が天気の子の感想や魅力、考察をガッツリネタバレありでお届けします!!
※この記事はネタバレを含んでいます。まだ天気の子を観ていない方は観てから読むことをオススメします!
【みどころ①】世代による天気の感じ方の違い
作中では雨が降っているシーンがたくさんありますが、
雨が降り続いていることに対する意見が、若者と大人で分かれています。
夏美、須賀などの大人達は降り続く雨に対し「異常気象だ」と言っている一方で帆高や陽菜は異常だとは言っておらず、当たり前のように生活しているのが見て取れます。
これは、ここ数年の天気の変化を感じながら生きてきた大人と異常気象の真っ只中のみを生きてきた若者の違いなのでしょう。
現実でも地球温暖化に伴い「猛暑・酷暑」など異常気象と聞くことが増えてきました。
しかし、そんな暑さも数十年経てば異常だとは言わなくなり、当たり前になるのでしょう。
こんな暑さが当たり前になるなんて嫌ですねぇ〜
【みどころ②】凪先輩!
陽菜の弟である凪がメチャメチャカッコかわいいです!
帆高と同じバスに乗っているシーンでは彼女の髪の毛を褒めていたり、
児童相談所に今カノと元カノを呼んでしまったり、モテモテなのがわかりますね^-^
帆高が先輩と呼ぶのもわかります(笑)
それにしても、今カノのカナと元カノのアヤネ、、、
この名前どこかで見覚えがあるような、、、
そう、それぞれ声優の花澤香菜さん・佐倉綾音さんが演じています
^-^
声優の名前をそのまま使用しているなんて面白い!
さすが新海監督!
小学生にしてモテモテな凪先輩ですが、
私は特に帆高に言うセリフ
「付き合う前はなんでもはっきり言って、付き合ってから曖昧にいくのが基本だろ?」
が好きです(笑)
小学生にしてその境地までたどり着いてる凪先輩なにものですか(笑)
今の小学生ってみんなこんな感じなんですかね (⌒-⌒; )
【みどころ③】『君の名は。』のキャラクターも登場している
過去作のキャラクターが登場するのは新海ワールドの1つですが、今作はそれが予想以上!
①陽菜達がお彼岸日を晴れにしたいというおばあちゃんの家に行くとそこには「君の名は。」の瀧君がガッツリ登場!ちょっと大人びていますね^_^
②帆高が陽菜への誕生日プレゼントに指輪を買いシーンでは三葉が店員!
など、他には三葉の友人であるテッシー、さやちん、三葉の妹・四葉も登場しています。
みんな東京で暮らしているんですね。
ということは次の映画では帆高や陽菜が登場するかも!?
もし登場するとしたらどのような感じで登場するのか今から楽しみです!
【みどころ④】絶妙なタイミングの挿入歌
作中に挿入歌が流れるのも新海ワールドの醍醐味の1つではないでしょうか。
天気の子においても
・風たちの声
・祝祭
・グランドエスケープ
・大丈夫
・愛にできることはまだあるかい
の計5曲が流れていますが、どの曲もこれ以上ないほど素晴らしいシーンで流れており、鳥肌が経ちました。
(もちろん全て購入しました)
中でも私は
・帆高が陽菜を助けに行くシーンで流れる「グランドエスケープ」
・帆高と陽菜が再開するシーンで流れる「大丈夫」
には涙が止まりませんでした。
そして何より曲の歌詞と映画のシーンが場面が合っていてすごく好きです。
帆高や陽菜の過去は?
劇中では帆高が家出をして東京に一人でやってきますが、
の理由については語られていません。
しかし、地元でどのような境遇だったのかを想像させる場面がいくつかあります。
例えば
◯顔に絆創膏を張っている
◯猫(アメ)に対し「どうしても帰りたくないんだ」
◯陽菜からもらったハンバーガーを食べて
「僕の16年の人生であれが一番美味しい夕食だったと思う」と言う。
など帆高の過去を連想させるシーンがあります。
しかし、明確に語られていないのには新海監督のある思いがあり、
公式パンフレットで以下のように言っています。
トラウマでキャラクターが駆動される物語にするのをやめようと思ったんです。
(略)
内省する話ではなく、憧れのまま走り始め、そのままずっと遠い場所まで駆け抜けていくような少年少女を描きたかったんです。
(公式パンフレットより)
今、そしてこれからを全力で駆け抜けていく少年少女だからこそ、
過去には囚われない物語にしたのだなと感じ、それは私たちが生きていく上でも大切なことであると思いました。
過去を全く振り返らないのは難しいですが、いつまでも過去にとらわれるのではなく、現在・未来に向けて全力で駆け抜けていくことが大事であり、私も帆高や陽菜のように生きたいを思いました。
【ここで涙!】陽菜を晴れ女から解放した帆高
帆高が鳥居をくぐり、陽菜を助けるシーンで
陽菜は
「私が戻ったらまた天気が」
と自分が戻ることにより雨が降り続いてしまうこと、自分が人柱になり天気の調和を取り戻さなければならない、と自分の運命から逃げて良いのかどうか葛藤しています。
そんな陽菜に対して帆高は
「もういい!陽菜はもう晴れ女なんかじゃない。もう二度と晴れなくたっていい、青空よりも俺は陽菜がいい、天気なんて、狂ったままでいいんだ!」
と陽菜が背負っている運命から解放します。帆高カッコよすぎる!!!
こんなかっこいいこと言ってみたいですね。
こうして2人が調和を取り戻さない選択肢をしたことで東京には雨が降り続きます。
調和を失った世界で
帆高と陽菜が空の世界から戻ってきてから3年。
雨が降り続き、東京の大部分が沈んでしまいます。
そんな中、故郷の高校を卒業した帆高はもう一度東京に出てきます。
(◯◯農業大学と書いてありましたが、東京の理系大学に進学したんでしょうか?実は頭がいい? 笑)
「変わってしまった東京の風景を見て何を思えばいいのか、彼女に何が言えるのか、僕にはまだわからない」
と帆高は自分達の選択で世界を変えてしまったことに責任を感じているであろう陽菜に対し、どんな言葉をかけるべきか悩みます。
瀧君のおばあちゃんが家が沈んでしまったから引っ越したことについて、帆高が謝っていることからも責任を感じているのが見て取れます。
瀧君のおばあちゃん、須賀さんと話す中で、
◯元々は海だった
◯世界なんて元々狂ってる
◯この世界がこうなったのは誰のせいでもない
そんなことを伝えればいいのか考えながら、陽菜の家に向かう途中、空に向かって祈っている陽菜の姿を目にします。
彼女が何を祈っていたのかは語られていません。
そして、ここで流れる大丈夫の歌詞
世界が君の小さな肩に乗っているのが僕にだけは見えて
君=陽菜
僕=帆高
だとすると世界が陽菜の小さな肩に乗っているのを帆高には見えた、
ということになります。
その姿を目にした帆高は「あの時、僕たちは確かに世界を変えたんだ、僕は選んだんだ!あの人を!この世界を!ここで生きていくことを!」
と自分たちが世界を変えてしまった、その中で生きていくことを自分達は選んだのだと改めて気づきます。
そしてそれを陽菜に伝えようとした最後の言葉
「僕たちはきっと大丈夫だ!」
物語はここで終わります。
2人がその後どうなるのかは語られていませんが、調和を失った世界であっても2人は懸命に生きていくのでしょう。
世界を自分で選び取る物語
天気の子全体を通して思ったことは
天気の子は世界を自分で選び取る物語
だということです。
◯天気の調和よりも陽菜と共に過ごしていうことを選んだ帆高
◯みんなの願いである晴れよりも自分の願いを選んど陽菜
そして世界を自分で選んだのは帆高、陽菜だけではありません。
須賀は逃げる帆高に対して、最初は社会の常識を諭すように説得していましたが、最終的に帆高のために警察に盾突くことを選び取りました。
また、夏美も脱走した帆高をカブに乗せて、カーチェイスを繰り広げ、犯罪者の逃走を助ける役割を選び取る行動を起こしました。
作中の登場人物のように
世界を自分で選び取る尊さ
を新海監督は今回の映画で伝えたかったのかもしれません。
最後に
新海誠監督は多くのインタビューの中で
「天気の子は世の中的に批判されるかもしれない」
と言っております。
たしかに、穂高が行う
◯警察署からの逃亡
◯銃を突きつける
現実的に言えば許されることではないのかもしれません。
しかし、そこまでしてでも陽菜を救いたいという帆高の純粋な気持ち、そして帆高と陽菜がたどり着いたラストシーンはとても尊いものだと私は思っています。
もしかしたら私たちも自分にとって本当に大切な人のためならば、世間から良しとされないことであってもやってしまうのかもしれません。
「大切なものの順番」というものを考えさせられた映画でした。
こんな時代だからこそ1人でも多くの方に天気の子を観ていただきたいと心から思います。
+α あの人のその後は?
夏美のその後
帆高の逃走を助けた夏美ですが、そのあとどうなったのでしょうか?
劇中では直接は語られていませんが、夏美のその後を暗示しているシーンがしっかり描かれています。
それは帆高が高校を卒業し、東京に出てきて色々な人に会いにいくシーン。
その中で須賀に会いにいくシーンがあります。
そのオフィス内のあるデスクには夏美のものと思われるバイクのヘルメットが置いてあります。
おそらく釈放された後、須賀さんの会社に入れてもらったのでしょう。
劇中で「こんなとこ腰掛けよ」と吐き捨てていた夏美がやっぱり須賀の会社で働いているのは面白いですね^-^